確定申告後に気を付けたいことは?

例年3月15日を過ぎると確定申告が終わると、ひと段落し、ホッとしている方も多いのではないでしょうか。

 確定申告は終わったら、書類をしまい込んでいるという方はいませんか?

 今回は、所得税の確定申告後に気を付けておきたいこと、次の確定申告を効率化するために準備しておきたいことを紹介します。

 

住民税・事業税・国保・予定納税のこと、忘れてない?

 所得税の確定申告で支払った税金は「所得税」ですね。

 消費税の課税事業者の場合は、消費税の確定申告もあるでしょう。

 個人事業主にかかってくる税金は、他にもあります。

・住民税

・事業税(※対象業種の事業者の場合)

・国民健康保険料(税)

・所得税の予定納税(※対象事業者のみ)

といったものですが、これらの税金の通知は、所得税の確定申告が終わってしばらく経ってから届きます。

 例えば、住民税の場合、6月ごろに「住民税課税決定通知書」が届きます。

 その通知を見て「こんな税金知らなっかた!」「こんなにいっぱい!?」「払えるのかな…」と驚いてしまう方が非常に多いのです。

 だからこそ、自分がいつ・どの税金を・どれくらい支払うのか、目安を把握しておくことが必要なのです。

 

いつ・どれくらい払うの?目安を把握しよう

 それぞれの税金の納付時期、金額、対象者は次のようになっており、目安金額と時期を確認しておきましょう。

所得税を納税した人はもちろんですが、還付申告だった人も還付されたお金はそのあとの税金の予定を確認して余裕をもった資金計画を立てることをおすすめします。

 

住民税

住民税の金額は、所得税の確定申告書 第一表「㉚課税される所得金額」に税率10%をかければ、目安が計算できます。

厳密にいうと、所得税と住民税で所得控除の金額が異なりますし、「均等割」というものがかかってきます。

この計算方法はあくまで、「目安となる納税額を把握するため」だと考えましょう。

この金額を6月、8月、11月、1月に4分割で支払っていくことになります。

 

事業税

 事業税は、対象業種の事業者で、利益(売上から経費を差し引いた後の金額)が290万円を超えている人に対してかかる税金です。

※青色申告特別控除を控除する前の金額

 具体的には、青色申告決算書1ページ目の「青色申告特別控除前の所得金額」が290万円を超えているかどうかで判断します。

 

 290万円以下の場合、支払う必要はありません。

 290万円を超えている場合、「超えた部分の金額×5%(※)」が年間の事業税となります。

 その金額を、8月と11月の2分割で支払っていくことになります。

※3%、4%の業種や、芸術関係は課税対象外などの例外有り

 

 

国民健康保険料(税)

 国民健康保険料(税)の金額は、所得税の確定申告書の「⑫所得金額等の合計」欄から43万円をマイナスした金額に、8%、または10%をかければ、目安となる計算することができます。

 40歳未満の方は8%、40歳以上の方は10%をかけると良いでしょう。

 なぜなら、40歳を迎えると介護保険料がかかります。

 実際には、40歳の誕生日の前日が属する月から健康保険料(税)とともに介護保険料分として約2%が徴収されるので10%で計算をします。

 例として…。

例1:5月2日生まれの人が40歳になる場合は、5月1日が前日なので、5月から。

例2:5月1日生まれの人が40歳になる場合は、4月30日が前日なので、4月分から。

 

 この金額を6月から3月まで10回に分けて支払っていくことになります。

 ちなみに国民健康保険料(税)は、自治体によって税率に違いがありますし、上限として限度額も設けられています。

 

払い方は?

 これらの税金の支払い方法には、以下のようなものがあります。

1.口座振替納付

2.クレジットカード納付

3.スマホ納付(PayPay、LINE Pay、モバイルレジアプリなど)

4.ペイジー納付

5.窓口納付(金融機関、コンビニ、郵便局、役所等)

6.地方税共通納税システム

 この中で私がオススメしたいのは1.~4.までの納付方法です。

➀わざわざ納付するだけのために外出する必要がない

②土日祝や夜間でも納付できる

③キャッシュレス

といったメリットがあるからです。

 特に1.の口座振替は、期日に自動的に引き落としされるので、納付忘れの心配がないのも嬉しいポイントですね。

 確定申告の期日から約1ヶ月後の引き落としなので資金繰りにも余裕が持てますからね。

 ただし、振替口座の残高不足には注意してください。

 振替口座の残高不足などで振替納税ができなかった場合、納期限(所得税の確定申告の場合は3月15日)の翌日から納付する日までの期間について延滞税がかかります。

 

確定申告の間違いに気づいたら、訂正申告や修正申告をする

訂正申告、修正申告、更正の請求の違い: 修正申告や更正の請求は申告期限後に間違いを正し、それに対し訂正申告は申告期限内に間違いを正すものです。

 所得税の確定申告の期限は3月15日ですから、3月16日以後に間違いに気づいた場合には、修正申告か更正の請求をすることになります。

 3月15日までであれば、訂正申告です。

訂正申告の手続き: 訂正申告は、正しい申告書を出し直すだけでOKです。

 税務署は、申告期限内に同じ人から複数の申告書の提出があった場合には、最後に提出された申告書を、正しいものとして取り扱うことにしています。

修正申告、更正の請求の手続き: 修正申告は、税金を追加で納めるための手続きです。

 要するに当初の申告で、売上の漏れがあったり、経費のダブりがあったりして、税金を少なく計算してしまっていたケースですね。

 修正申告では、「修正申告書(別表)第5表」という書類を、確定申告書B第1表と一緒に提出する必要があります。

 それに対して更正の請求は、税金を返してもらうための手続きで、「更正の請求書」という書類を提出する必要があります。

 

書類を保管しておこう。所得税の確定申告書の控えの保存

紙で提出の場合:必ず提出用と控え用の2部を用意しましょう。

 控えに「収受日付印(受付印)」を押してもらうことで、税務署に提出したことの証明になります。

 助成金の申請などをするときに、収受日付印がなくて不備となるケースもあるので、注意しましょう。

e-Taxの場合:申告後にメッセージボックスに届く「メール詳細(受信通知)」という書類を保管しておきましょう。

 収受日付印と同じように、税務署に提出したことの証明になります。

 

帳簿や関連書類の保管

青色申告の場合

 個人事業主の青色申告の場合、帳簿や領収書などの書類は、7年間の保管が必要となっています。

 

(※)前々年分の所得が300万円以下の方は5年

 「その他の書類」については5年となっていますが、かえって面倒くさくなるので、私はまとめて7年間保管しておくことをお勧めします。

 白色申告の人も対象書類は違えど、7年と5年なので、わからなくなりそうなら、まとめて7年間保管しておくと間違いがないです。

白色申告の場合

 白色申告の場合の保存期間は以下の通りです。

 

電子帳簿保存をしている場合

 電子帳簿保存法は、帳簿や領収書などの書類をデータ保存している場合に適用される法律です。

 ですから、すべての帳簿や書類を紙で保存している場合には、適用はありません。

 ただし、もしデータ保存している場合には、一定の要件に従って保存する必要があります。

 領収書やレシートについては、原本(紙)で保存しておくことをオススメします。

 「スキャナ保存」という制度では、スキャンしたデータを保管すれば原本を破棄してOKとなっていますが、非常に要件が厳しいのです。

 コストや手間を考えて、スモールビジネスの方にはあまりオススメしていません。

 また、対象の帳簿をデータ保存している場合には、以下の3要件を満たす必要があります。

1.システム関連書類の備え付け

2.見読可能装置の備え付け

3.調査でデータのダウンロードの求めに応じること

 青色申告の65万円控除を適用するには、e-Taxか電子帳簿保存する必要があります。

 e-Taxを選択するほうが、容易ではあります。

システム関連書類の備え付け

 システム関連書類とは、PCなどの操作説明書と、事務処理マニュアルのことです。

 操作説明書はオンラインマニュアルでもOKとされています。

 事務処理マニュアルについては、国税庁の電子帳簿保存法Q&Aのなかでサンプルが提示されています。

2022年からの電子帳簿保存について

 社会のデジタル化の流れにより、令和3年度の税制改正で「電子帳簿保存法」に改正がありました。

 2022年(令和4年)1月1日に施行されて、帳簿書類を電子的に保存することで大きな見直しがありました。

 具体的な改正内容は以下のとおりです。

 

 これまで、対象の国税関係帳簿を電子保存する場合には、事前に申請と承認が必要でしたが、個人事業主の場合、2022年1月分から事前承認は不要です。

 逆に言うと2022年1月以後に、帳簿書類をデータ保存している事業者は、すべて電子帳簿保存法の適用を受けることになり、先述した保存要件を満たさなければなりません。

 また、電子取引で受け取った書類は電子データのまま保存する義務が生じます。

 具体的には「電子メールで受け取った領収書や請求書のPDFファイルを紙に印刷して保存する」ことが法改正により不可となったのです。

 この改正は、見直しがなされて、2022年1月1日から2023年12月31日までの2年間は、対応ができない場合は、税務調査などで提示を求められた場合に書類を提出できる状態で保存と管理をしていれば、紙に印刷したものの保存もOKとなっています。

 2年のうちに少しづつ対応できる準備をしていきましょう。

 

最後に

最短の1/4に申告すると、1月の半ばには入金されますが、申告期限ギリギリの3月15日に申告すると、還付されるまでに1ヵ月~1か月半くらいかかる印象があります。

 やはり税務署がまだそれほど忙しくないうちに申告すると、還付もはやいですね。

 それに対して2月中旬~3月は申告書が大量に提出される時期ですので、多少時間がかかってしまうようです。

 

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