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RCEP交渉に続き、日中韓FTA交渉はどのように進むか―中国メディア

第8回日中韓サミットが24日、四川省成都市で開かれ、中国の李克強(リー・カーチアン)首相が議長を務めるとともに、日韓の首脳とそれぞれ会談した。「地域経済一体化を共同で進める」ことが日中韓自由貿易協定(FTA)の核心であることは間違いなく、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の枠組には一定の変数が存在するものの、中国の対外開放の拡大の堅持は確固不動たるものであり、開放のドアは閉じられないだけでなく、ますます大きく開かれていく。北京商報が伝えた。

■来年のRCEP署名を確保

李首相は、「日中韓はRCEP交渉の確固とした支持者であり、3者は地域経済一体化の水準を引き上げるべく共同で努力する。先月に到達した『バンコクコンセンサス』を実施し、一気に物事を成し遂げ、勢いに乗って上昇し、来年にRCEPが署名されるよう確保する」と指摘した。

同日発表された「第7回日中韓ビジネスサミット共同声明」でも、「私たちはRCEP交渉の成果を歓迎し、2020年のできるだけ早い時期にRCEPの署名が終わることを期待する」としていた。

また同声明は、科学技術イノベーション、グリーン・環境保護、健康・高齢者ケアという3つの協力分野を提起した。

同日、李首相も、「中国にはますます高度化する極めて大規模な市場があり、14億人に迫る国民の優良な商品・サービスに対するニーズは急成長の段階に入り、高齢者ケア、健康、育児などの分野でサービスの供給を増やす必要がある。現在、中国は金融分野の開放を推進しており、韓国と日本の企業はこの分野で突出した優位性を備えているので、中国に進出して近代型のサービス業や金融分野での協力を展開することを歓迎する」と述べた。

サービス業は日中韓貿易の注目点になるとみられる。遼寧大学モデル転換国家経済政治研究センターの李家成(リー・ジアチョン)研究員も、「現在、中韓自由貿易は主に物品に集中しており、サービス貿易には及ばず、日中間で署名した貿易協定も2国間貿易だ。よって今後の自由貿易はサービス貿易において体現されるだろう」と指摘した。

また李氏は、「日中韓経済の規模は非常に大きく、世界2位、3位、12位で、関税同盟が結ばれれば、北東アジア地域の経済一体化にとって素晴らしいサポートになる。FTAにはとても大きな経済的ポテンシャルが備わっている」と述べた。

■「揺れ動く」FTA

12月21日に行われた日中韓FTA交渉の首席代表会合で、日中韓3カ国は物品貿易、サービス貿易、投資、ルールなどの重要な議題について踏み込んだ意見交換を行い、積極的な進展を遂げ、今後の作業日程に関して原則的な共通認識に達した。

しかしFTAの推進には挫折も紆余曲折もある。日中韓FTAをめぐり、外務省の大鷹正人報道官は、「日本の立場は、引き続き16カ国によるRCEPの合意達成に向けて努力するというもので、来年も引き続き努力する。そしてこれ以外の他のアイデアはない。日本は今、16カ国のRCEP合意達成に注力すること、達成できるかどうか見届けることしか考えていない。日中韓FTA合意はRCEP交渉の妥結を待つべきであり、今は時期尚早だが、3カ国はいずれも日中韓FTAの合意達成を待ち望んでいる。ただどのような具体的な成果もすべてRCEP交渉の妥結を待ってからだ」と述べた。

李氏は、「日本の立場には確かに揺らぎはあるが、さきの日中韓経済貿易閣僚会合では日本の態度は積極的であったし、地域経済協力一体化は大きな流れであるため、全体としてはよい方向に進んでいる」との見方を示した。

中国社会科学院の張蘊嶺(ジャン・ユンリン)学部委員は、「2国間の要因の影響により、日中韓サミットは長らく開かれてこなかった。昨年に再開したものの、今年は日韓関係の緊張状態がエスカレートし、サミットが再び頓挫するのではないかと多くの人が懸念した。よってサミットが開かれたことだけでも一種の積極的なシグナルの発信であると同時に、3カ国が昨年の声明で打ち出した首脳同士の会談を維持して中断しないという約束の着実な履行でもある」と述べた。

張氏は、「現時点で日本はインドが参加するRCEPの署名を積極的に推進したいとしており、中国が署名に先立ってインド向けの何らかの保障合意を形成する必要があるとの見方さえ打ち出した。しかし実際の操作においてこのような先例はなく、現在の状況の中では、日中韓が一緒に話し合うことがより重要であり、実際的な方法を見いだしてRCEPが来年にスムーズに署名・可決されるかどうかを見届けることがより重要だ」と述べた。

■中国は各種企業を平等に扱う

李首相は同日、「中国は対韓貿易、対日貿易で赤字を抱えるが、貿易赤字があるからといって保護主義を大々的に打ち出すことはしない。中国の対外開放拡大の堅持は確固不動たるものであり、開放のドアは閉じられないだけでなく、ますます大きく開かれていく。中国は市場化、法治化、国際化したビジネス環境の創出に努力し、各種所有制の企業を差別せず、平等に扱う」と述べた。

今年8月、山東省、江蘇省、広西チワン族自治区、河北省、雲南省、黒竜江省の6省・区に設立された6つの自由貿易試験区が発足した。現在、中国には数段階に分けて認可された18の自由貿易試験区がある。自由貿易試験区の一層の拡大は、開放の新たな版図が形作られつつあることを示す。

また李首相は、「中国はこれから製造業の全面開放を踏まえて、サービス業の対外開放の歩みを加速し、証券、先物取引、ファンド、生命保険の分野における株式の外資比率の制限を前倒しで撤廃し、さらに多くの分野で外資系企業の独資経営を認める」と述べた。

工業・情報化部は12月23日、2020年の重点業務計画の中で、質の高い発展にプラスになる良好な環境を創出し、商用車の製造における株式の外資比率の制限撤廃を実施すると指摘した。

一月前には、19年版市場参入ネガティブリストが発表されたばかりだ。新リストには「高齢者ケア機関の設立許可」の開放措置など131項目が列挙され、18年版リストより20項目少なく、13%減少した。来年1月1日には「中華人民共和国外商投資法実施条例(案)」が「外商投資法」の施行に合わせて実施される予定だ。

中国は今、ますます重要な役割を果たすようになっている。日中韓三国協力事務局(TCS)の2代目事務局長を務めた岩谷滋雄氏は、「中国は今、東アジア経済の中核になりつつある。中国がこれからも引き続き東アジア地域の経済発展のリーダー役を務め、周辺諸国を良い方向にけん引してくれることを願う」と述べた。

データによると、今年1-11月に、全国で新たに設立された外資系企業は3万6747社に上り、実行ベース外資導入額は8459億4000万元(約12兆6900億円)に達して前年同期比6%増加した。

李首相はサミットの中で、「日韓企業が地理的に近いという優位性を生かして、中国の開放拡大のチャンスをつかまえ、より多くのビジネスチャンスを獲得して、互恵・ウィンウィンをよりよく実現することを歓迎する」と述べた。