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日本で消費税増税をめぐる論争再び―中国メディア

日本の政界では最近、今年10月に予定されている消費税増税が再び争点となっている。引き上げを前提に、新年度予算案が3月の国会で成立し、消費税増税による消費の低迷を少しでも避けるための、関連の対策費も予算に盛り込まれた。このように消費税増税は既に待ったなしの状態となっているが、引き上げを目前に控えて、横やりが入っている。現在の情勢を見ると、今回の論争は、増税問題を武器にして国会の選挙に影響を与え、政局を揺れ動かそうとする目論見が明らかだ。日本の政治は再び霧の中で花を見るような状態に陥る可能性がある。経済日報が報じた。 

論争は、自民党の萩生田光一幹事長代行が、インターネットテレビ番組で、10月に消費税が8%から10%に引き上げられることについて、日本銀行(中央銀行)が6月に発表する経済観測調査の結果次第で延期もあり得るとの考えを示し、「本当にこの先危ないぞというところが見えてきたら、崖に向かって皆を連れて行くことはできないので、そこはまた違う展開はあると思う」と述べたことに端を発している。 

自民党員で初めて増税の延期に言及した萩生田幹事長代行のこの発言は日本で波紋を広げた。萩生田幹事長代行は、「増税を止めるとなると、国民の皆さんの了解を得なければならないから、信を問うことになる」とも発言。信を問うとは、解散総選挙のことで、7月予定の総選挙が6月に前倒しになるのではとの憶測も流れるなど、政治的戦略のにおいがプンプンする。 

萩生田幹事長代行の発言には、日本の政府や経済界、各政党がたちまち反応。菅義偉官房長官はすぐに、「リーマンショック級の出来事が起こらない限り、10月に消費税率を10%に引き上げる予定。政府の方針に全く変わりはない」と、火消しに努めた。また、麻生太郎副総理兼財務相も、「社会保障の安定財源の確保が極めて重要だ」と強調し、自民党の二階俊博幹事長も会見で、萩生田氏の発言について、「彼の個人的な見解だ。幹事長代行だからといって、私に相談や了解があったわけではない。党で十分議論して結論を得ている。軽々しくそうしたことに言及すべきものではない」とした。公明党の山口那津男代表も、「短観だけをもって、(延期を)うんぬんするというのは論外だ」と一蹴している。 

政界よりもパニック状態になっているのは日本の経済界だ。企業や事業者は既に、パソコンの財務システムを、増税後の基準に合わせて修正するなど、消費税増税に向けた準備を着々と進めているため、もし増税が延期となれば混乱は必至だ。また、政府も増税を前提に、新年度予算の計画を制定しており、増税が延期となれば、不足分は赤字国債で補うしかなく、膨らんでいる「国の借金」がまた増えることになる。 

萩生田幹事長代行は、これまでに、内閣官房副長官も務めるなど、安倍首相が非常に信頼している側近中の側近で、その発言には非常に重みがある。そのため、日本の複数のメディアは、増税延期の発言は、安倍首相の代わりに投じたパイボールではないかと分析している。7月、3年ごとに半数を改選する参議院議員通常選挙が実施される計画で、もし同じ時期に衆議院が解散されて衆議院議員総選挙が行われることになった場合は、衆議院選挙と参議院選挙の両方の選挙を同時に行うことになり、地方に強固な組織を持つ自民党にとって有利となる。 

安倍首相は、「政府は120%の増税対策を講じているため、増税が経済にマイナスの影響を与えることはない」と自信たっぷりに語っているものの、日本の各界は景気の先行きを不安視している。昨年下半期、米国の保護貿易主義や世界経済の動向の影響を受けて、日本の輸出が減少し、国内消費の成長の力も弱くなっているため、日本社会では増税により、経済が根本的に低迷してしまうのではとの懸念が広がっている。日本銀行が今年3月に発表した全国企業短期経済観測調査の結果によると、代表的な指標の大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス12に悪化し、安倍首相が増税を見送った14年11月の水準を下回った。そのため、消費税増税の延期を求める声が常に上がっている。 

14年4月に、消費税が5%から8%に引き上げられて以降、安倍政権は増税を2度延期してきた。14年11月、安倍政権は、15年10月に計画していた増税を1年半延期するとし、それを理由に衆院解散を断行して参院選で圧勝。さらに、16年6月にも、再度、増税を19年10月まで延期するとして、同年7月の参院選で勝利を収めた。 

このように、増税延期が選挙で勝利するための重要な手段でして使われてきたのだ。そのため、「増税問題において、経済情勢より、選挙情勢のほうが、政府の決定を左右する」との声もある。 

日本の憲法は、「衆議院を解散し、総選挙を実施するというのは総理大臣の専権事項」と定めている。選挙に勝つために、これまでも増税を延期してきた経緯があるため、「二度あることは三度ある」と言えるだろう。また、安倍首相が政権を握ってからの6年半の間、国政選挙が6度行われてきたが、7回目はないとは誰も言えないのではないだろうか。選挙に向けて解散する権限は安倍首相が握っており、各政党は起こる可能性のあるさまざまな局面に対処するための準備を既に進めている。