全国で空き家が増え続ける中、民間業者による空き家管理サービス事業への参入が相次いでいる。遠方の親族が相続したり、高齢の住人が介護施設に入所したりするケースが増え、需要が生まれているようだ。兵庫県姫路市内では不動産業にとどまらず、全く異なる業種から参入した業者もある。
札幌市の会社員の男性(61)は昨秋、姫路市花田町にある妻の実家が空き家となり、管理業者を探すことにした。インターネットで見つけたのは、燃料事業から今年参入したばかりの「ダイネン」(姫路市飾磨区)。男性は「古い建物を放っておくと近所に迷惑を掛ける。近くに管理を頼める親族もおらず、助かった」と明かす。
同社の本業は主にLPガス販売。販売エリアは都市ガスの供給されない周辺部が中心で、今後の顧客減少が予想される。検針やガスボンベ配達のネットワークを生かせる事業として、空き家管理を始めた。料金はプランに応じて月額3千~5千円。月1回、屋内の換気や郵便物の確認、依頼者への報告などを行う。
同社の担当者は「1人暮らしの高齢者から草刈りを頼まれるなど、元々顧客との近さはあった。空き家の増加は今後の地域課題で、地元業者として貢献できれば」と思いを語る。
姫路市内だけでも既に複数の業者が同様のサービスを実施。同市勝原区の「ステアーズ不動産」は、約5年前から空き家管理も扱う。最も多いのは、遠方の親族が住宅を相続後、管理に困って依頼してくるケース。同社は「大半の空き家が最終的には売却か解体となるが、それまで状態を維持する必要がある。大々的にPRしなくても、問い合わせは多い」と説明する。
2年前から空き家管理を担う同市内の不動産業の男性(38)は「特別な資格も不要で参入のハードルは低い。放置されている空き家は多く、潜在的な需要はまだまだある」と指摘する。
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