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「シンゾー」とファーストネーム呼びなのに…、トランプ大統領が追加関税で日本を除外しないのはなぜ―中国メディア

日本は米国と貿易戦争を始めようとしているのだろうか。日本の政府関係者は今月17日、米国の鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税に対する対抗措置を検討中であることを明かした。日本は最終的な決定を下していないが、これは米国に対する日本の態度の大きな変化だといえる。今年3月、米国は鉄鋼・アルミの輸入製品に対する追加関税を発表し、続けて多くの国・地域を関税適用の対象から除外または暫定的に除外したが、日本は除外されなかった。それから数カ月間、日本は米国に何度も除外を求めたが、今なお適用対象のままだ。トランプ氏が大統領選挙で勝利すると、安倍晋三首相は積極的に関係を構築しようとし、これまでに6回直接会談し、大統領は記者会見で「シンゾー」とファーストネームで呼ぶほどの親しさをみせた。こうした「蜜月ぶり」でありながら、オーストラリアや韓国のように除外を勝ち取れなかったのはなぜだろうか。日本の世論は首脳同士の密接な関係をどのようにみているのか。環球時報が伝えた。 

■30年以上前の歴史観にとどまっているのが根本原因か? 

米スタンフォード大学のダニエル・スナイダー教授は、「日本人の見方では、トランプ氏の日本に対する見方は1980年代の感覚にどっぷりつかっている」と述べる。

米誌ザ・ウィークの最近の報道では、「1980年代を通じて、トランプ氏は日米貿易関係を絶えず攻撃し、日本は『系統的に米国の生き血を吸う国』などと批判してきた。トランプ氏の日本に対する見方はそれ以来変化していない。今の中国に対してもある程度このような見方をしている」という。 

実際、トランプ氏の日本に対するイメージは80年代のものに限定されない。米2位の鉄鋼メーカー・ニューコアの元最高経営責任者(CEO)ダン・ディミッコ氏が米紙ワシントン・ポストに述べたところでは、「数十年前に、トランプ氏は米国の失業や製造業衰退の問題を貿易と関連づけた。90年代に入って米大統領選に立候補した時にも、貿易を話題の中心に上げていた。1999年には米CNNの番組『ラリー・キング・ライブ』で、『こんなに長い間、日本にとって米国は犯人がくくりつけられてむち打たれる柱のような存在だった。日本人がどんな風に自動車を売り、補助金がどうなっているか見るがいい』と発言した」という。 

00年に大統領選挙に立候補した際には、「自分が勝てば、自分を通商代表に任命して、直接日本と交渉する」と宣言した。 

それから2016年までの間に、日本は20年に及ぶ停滞期を経験したが、トランプ氏は今も日本を取り上げて、メキシコや中国とともに「米国を破壊した国」としている。 

英紙フィナンシャル・タイムズは、「経済専門家はトランプ氏とスタッフが米国経済をラストベルトの観点からばかりみることを絶えず批判し、自動車や鉄鋼への言及回数が多すぎると指摘する。トランプ氏とその貿易チームは歴史に非常に興味があり、かつての栄光を取り戻そうと考えているのではないかとみる人もいる」と伝えた。 

■日本メディア「パフォーマンスで取り入る」友情は何をもたらすのか? 

バラク・オバマ前大統領に比べて、さらにジョージ・W・ブッシュ元大統領と比べても、現在のトランプ大統領の日本に対する態度は明らかに消極的だ。大統領就任前も就任後も、日本はメキシコと中国に次いで「名指しで批判される」ことの多い国だ。だがトランプ氏と安倍首相の関係は外部からはよく「日米関係の蜜月」などと言われる。 

さまざまな分析が、「安倍首相はトランプ氏と親密な関係を築くことに賭けた」との見方を示す。米誌フォーリン・ポリシーは、「こうした戦略は一定の効果を上げたようにみえる。安倍首相は大統領当選後のトランプ氏と初めて1対1で会談した外国の指導者になり、2回目の訪米では一緒にゴルフもした。こうした動向は他国に深い印象を与え、研究者によれば、欧州の首脳で安倍氏に教えを請うた人が最低1人はいるという。だが今ではかつての成功は色あせ、その具体的な現れとして、トランプ大統領が日本の頭越しに北朝鮮と直接話を進めたこと、また鉄鋼・アルミ関税で多くの同盟国を除外しながら日本を除外しなかったことが挙げられる」と報じた。 

日本メディアは、「欧州連合(EU)やその他の国は米国の不当な要求に対し、すぐさま対抗措置を打ち出すと表明したが、安倍政権だけは『腰が引けて』おり、遺憾の意を示しただけ、『日本の鉄鋼・アルミ製品輸出は米国の安全保障に脅威を与えていない』と繰り返すだけだった。日本政府は問題解決の希望を安倍首相とトランプ氏の『関係性』に託した。米政権には日本を除外リストに加えるようバックアップする人もいたが、最終決定者であるトランプ氏は結局、日本の要求を顧みることはなかった。 

九州大学の研究者は「米国にとって、日本はこれまでずっと真の『パートナー』でもなく『自国より下位のパートナー』でもなかった。政治と軍事の面で、日本は米国が『保護する国』だった。こうした関係性が首脳の往来にも直接反映されている。かつての米大統領は日本の顔色をうかがい、『形の上では尊重』してきたが、トランプ氏は『見せかけの好意で取り繕うこともない』ので、日本が言うなりになるのは当然のことだ」との見方を示す。 

日本の週刊誌「週刊現代」の近藤大介特別編集委員は、「安倍首相はトランプ大統領のことをよい友人だと考えているが、トランプ氏は必ずしもそうではない。トランプ氏からみれば、安倍氏は利用価値のある存在だ。トランプ氏はしばしば『小さいもので大きいものに脅威を与える』戦術を取る。つまり日本を利用して中国に圧力をかけている」と述べる。 

日本メディアには反省の声も出ている。日本の英字紙ジャパンタイムズは、「日本は対米戦略の再構築が必要か」と題した記事で「理論的に言えば日本は米国の東アジアにおける最も忠実な同盟国であり、こうした関係性は両国トップの個人的な交流に支えられ、共通の趣味であるゴルフによって強固なものにされてきた。だがパフォーマンスで取り入るような友情は実質的なメリットを何ももたらさない。日本は北朝鮮問題で隅に追いやられる懸念が高まり、対米貿易政策をめぐる憂慮が深まる今、まさに重大な正念場にさしかかっている」と報じた。 

日本誌「現代ビジネス」は、「米国は経済面で日本を『同盟国』と考えたことはない。日本政府はこの現実に直面するべきだ。トランプ氏が『米国第一』を提唱することを背景として、日本はいずれ世界貿易機関(WTO)のルールに基づいて自国の権利を断固として守り抜かなければならなくなる。たとえ米国と意見が異なっても、中国の側に立つことになっても、だ」と伝えた。