県は平成28年度の「介護保険事業状況報告」を発表した。今年3月末現在の要介護、要支援の認定者数は3万8103人(前年度比0・9%増)で、統計を取り始めた平成12年度以降で最多となった。保険給付額も651億6439万円(同0・9%増)と過去最高を更新。65歳以上の被保険者数も過去最高の24万1509人(同1・5%増)となった。県健康長寿推進課は「高齢者の増加により要介護者も給付額も増えている」としている。
調査結果では、65歳以上の被保険者のうち、要介護か要支援の認定を受けている認定率は15・5%で、高齢者のほぼ7人に1人が認定を受けている。このうち75歳以上の後期高齢者が全体の88・8%を占めた。
介護サービスの受給者数(延べ人数、65歳未満も含む)も、過去最高の45万4633人(同11・4%増)に。65歳以上の受給者1人当たりの給付額は、27万6413円(同0・4%減)とほぼ前年並みだった。
「居宅サービス」が最多の29万3379人(給付額306億3257万円)▽「地域密着型サービス」は8万2930人(同128億1667万円)▽「施設サービス」7万8324人(同217億1514万円)-だった。
地域密着型の給付額は全体の19・7%で、前年の12・5%から大きく伸びた。一方、居宅は47%となり、53・5%から低下した。
県健康長寿推進課などによると、住み慣れた地域で暮らせる環境をつくる一環として、小規模デイサービスを居宅から市町村が指定権者の地域密着型に移行させたためという。
介護保険財政については、高額介護サービス費などを含む28年度実績が666億4853万円で、計画値(692億9458万円)の96・2%だった。ただし、甲府市、山梨市など7市町村でそれぞれの計画値を上回った。
同課は「介護予防などの対策を強化して介護財政の負担を軽減し、本当に介護が必要な人への介護サービスを維持していかねばならない」としている。
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