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日本とEUがトランプ大統領を見限った?新自由貿易圏を建設、TPP挫折で次の手―中国メディア

米国が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から離脱したことを受けて、欧州連合(EU)と日本は違う手を打つことに決めた。双方は8日に自由貿易協定(FTA)の交渉を終え、世界最大の経済開放エリアを構築することを明らかにした。人口6億人をカバーし、グローバル経済のうち30%にあたる経済貿易活動が行われる見込みだ。ロイターによると、この動きは双方が保護貿易主義の立場を取る米トランプ大統領を見限ったことを示すという。北京商報が伝えた。 

同FTAはEUにとって最大規模の取引であり、これまでに4年の歳月を費やし、関税の削減、標準や規定の導入、公共の調達市場の開放などを目的とする。FTAが発効すれば、双方はただちにまたは段階的に関税の大部分を廃止する。日本はEUから輸入するチーズへの30%の関税とワインへの15%の関税を廃止し、EUからの豚肉・牛肉の輸入増加を認める。EUが日本で大規模な公開入札を行うことも認める。見返りとして、日本が関税を廃止するのは商品種別全体の94%とし、農林水産品は82%とする。また、EUは日本の自動車に対する10%の関税と自動車部品に対する3%の特恵関税を廃止する。 

現在、日本の人口は約1億2700万人で、欧州にとって6番目の輸出市場だ。アジア諸国で牛乳や乳製品のニーズが増加を続けているため、現在のEUの対日輸出品目では乳製品がトップに立つ。そこでEUは今回のFTAを通じて対日輸出を増やしたいと考えている。関係部門の政府関係者の分析によると、今回のFTAに基づき、毎年10億ユーロ(約1332億円)にも達していた関税が廃止され、食品、薬品、医療サービスの輸出が推進されることになるという。 

同時に、EUは日本の3番目の貿易パートナーであり、対EU輸出額の16%を自動車が占め、日本からEUに輸出される最も主要な製品となっている。日本はEUからの自動車輸入に対する関税を廃止したが、EUは日本車に対し10%の関税を課し続けている。日本の7大自動車メーカーのうち4社は欧州での販売量が世界販売量の10%以上を占め、欧州市場の重要性は言うまでもない。今回のFTAがEUにおける日本車の価格競争力を高めることが予想される。 

FTA交渉は確かにまとまったが、また阻害要因も残っている。8日に発表された合意をみると、EUと日本は投資家の保護という問題をめぐってはまだ一致していない。日本側はEUが採用を提案する新型の「投資法廷制度」による紛争処理には乗り気でなく、従来の投資家と国の紛争解決メカニズムに傾いている。EU委員会のセシリア・マルムストローム委員(貿易担当)は、「この分野では来年初めにもっと掘り下げた話し合いが必要だ。だが合意の他の部分はすでに固まっている」と述べた。 

だが現在の結果からみると、双方はどちらも合意に満足しているとみられる。EU委員会のクロード・ユンカー委員長と日本の安倍晋三首相はいろいろな場面で、今回の合意には客観的な経済的価値があり、重要な戦略的意義もあるとの見方を示している。今回の合意は、EUと日本は自由で公平な市場の中でグローバル経済の良好な運営状況を保つために努力するという世界に対する明確なシグナルでもある。また、今回の合意は明確さ、透明性、ルールに基づき、双方の価値観を十二分に尊重し、保護貿易主義の誘惑を効果的に防ぐものになっている。 

トランプ大統領がTPP離脱を宣言した後、日本はEUとのFTA交渉妥結に力を入れてきた。交渉は2013年にスタートし、関税、知的財産権、EC取引など27分野が対象になった。今年6月下旬以降は、岸田文雄外相とマルムストローム委員がそれぞれ東京とベルギー・ブリュッセルで多角的な難しい交渉を何度も取り仕切り、今年7月にはついにこの幅広い分野を対象とした新FTAの調印にこぎ着けた。 

世界で保護貿易主義が台頭する中、日本とEUは今回のFTAに基づいて自由貿易を推進する積極的な立場を明らかにした。ただ英紙フィナンシャル・タイムズが分析するように、日本がEU産チーズなどの乳製品の輸入を拡大すると、自国の牧畜産業は深刻なダメージを受ける。報道によると、日本政府は自国の専業の農家・牧畜業者に対する設備面での優遇措置や飼料に対する補助金などの救済措置を検討しているという。

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