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遺産の“相続・遺贈・死因贈与契約”のメリット、デメリット

 相続税の税収アップに余念がない税務署に対抗するには、自己防衛しかない。調査官がやって来ても動じない準備、損をしないポイントは何か――。多くの人が知りたい「相続税の本当のホント」を調査した。

 

 故人の財産の行方は、主に「相続」「遺贈」「死因贈与契約」の3パターンに分けることができる。それぞれ、故人が遺言書(いわゆる遺言状)などで指定することが多いのだが、メリットとデメリットがある。

「相続」とは、言わずもがなだが、故人の財産を法定相続人が引き継ぐことだ。

「遺贈」とは、故人の財産を遺言によって特定の人物に無償で与えること。相続とは違い、法定相続人以外でも引き継ぐことができ、NPO法人などが指定されるケースもある。

「死因贈与契約」というのはあまり聞きなれない用語だ。ゆい会計事務所代表の西津陵史税理士氏が解説する。

「死因贈与契約と遺贈は双方とも法定相続人以外でも遺産を受け取ることができ、性質がよく似ているのですが、遺贈が遺言による一方的な意思表示であるのに対し、死因贈与契約は財産を渡す側と貰う側が互いに契約を結ぶという点が大きな違いです。多いのが、“残された妻の面倒を見てくれる人なので財産を与える”などの“条件”を付与した上で財産を渡すケースです」

 後者2つに関しては税率が高くなる、というデメリットがある。

「遺贈や死因贈与契約で法定相続人が遺産を引き継ぐ場合は、通常の相続と同じ方法で税率を算出しますが、法定相続人以外の場合は、通常の相続税額に2割加算されます」(同前)

 さらに、不動産を引き継ぐ場合は、相続よりも後者2つの方が、負担が多くなる。遺贈で不動産の所有権移転登記を行なうと、相続では発生しない不動産取得税と登録免許税が発生し、相続税額に上乗せされるからだ。

 一方で、相続の方が損というケースもある。相続だと故人の借金も共に引き継がなければならない。もし故人に膨大な借金があった場合はプラスの財産もまとめて相続放棄したほうが得だというケースが出てくる。

 対して、死因贈与契約の場合は、特定の財産の贈与を双方の契約で決めるため、借金は受け取らない、という選択が可能なのだ。しかし前出の西津氏は釘を刺す。

「これに関しては、専門家の間でも意見が分かれています。法律上はその通りなのですが、この方法を悪用すると債務の踏み倒しが可能になり、債権者に対する妨害行為と認定されかねない。まだ判例も出ていないので、死因贈与契約であれば借金を被らずに済むという考えは、今後のトラブルの元になりかねません」

 誰にどんな遺産を遺すかによって、相続のスタイルを考えていかなければならない。