最近、日本の銀行業にこれまでと異なる動きがみられるようになった。みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3大メガバンクグループが相次いで大規模な構造改革プランを打ち出し、全体で3万2000人分の業務を削減すると発表した。つまり、日本銀行業はまもなく大規模リストラ時代を迎えることが予想されるのだ。経済参考報が伝えた。
みずほは今月13日に構造改革プランを発表し、グループ全体で2026年度までに1万9000人をリストラし、規模を現在の7万9000人から6万人に縮小することを明らかにした。同時に支店100店を閉鎖し、支店網を現在の500店から400店に縮小することも明らかにした。三菱UFJと三井住友はリストラに直接言及していないが、それぞれ9500人分と4000人分の業務量を削減するとしてリストラをほのめかしている。
3大メガバンクグループが歩調を合わせていることから、日本経済の「金庫番」の苦しい状況がうかがえる。日本銀行(中央銀行)の量的緩和政策の影響により、日本金融市場は資金がだぶつき、貸出の増加が望めなくなっている。また、日銀のマイナス金利政策を受けて預金金利と貸出金利の差が縮小し、こうした要因が銀行の収益を大幅に低下させた。みずほが13日に発表した中間決算では、17年度上半期の利益は1807億元で前年同期比40%減少した。三井住友の同期利益も同40%以上減少した。
利益は減少するのに、毎年数億円に上る店舗の家賃と人件費などのコストは変わらず、銀行の利益に占める支出の割合がどんどん上昇している。日銀は10月23日に発表した金融システムレポートで、「日本の金融機関は店舗と人員が多すぎて、収益を低下させている」と指摘。みずほは中間決算で、「利益に占めるコストの支出の割合が72.4%にも達し、メガバンクの中でトップ」であると明かしている。
コンピューターやスマートフォンの普及、インターネットバンキングの応用に伴い、銀行の窓口で手続きをする顧客が減少を続ける。記者が東京で働き始めた頃、携帯電話料金と健康保険料の引き落としのため日本の銀行で口座を作る必要に迫られ、会社の近くにあるみずほ銀行の支店を訪れた。恵比寿ガーデンプレイスの高級オフィスビルにある支店は、入ると窓口が並び、行員6〜7人が働いていたが、顧客はまばらだった。行員のサービスはきめ細やかだが効率はよくなかった。外にあるATMにはいつもたくさんの人が並び、顧客はここで現金を直接引き出していた。繁華街の高額の家賃と閑散とした窓口業務が鮮明なコントラストを描いていた。
他産業が預金・貸出業務に乗り出したことも、銀行の経営環境を日に日に厳しくして、従来の業務モデルに脅威を与えている。速やかに有効な構造改革を打ち出さなければ、日本の3大メガバンクの競争力は大いに弱まり、利益は早晩消滅することになる。
アナリストは、「今後数年で日本の銀行業には2つのはっきりした変化が訪れる」と予測する。第1の変化は銀行のサービスモデルが窓口からネットワークに移ることだ。みずほの佐藤康博社長が話すように、「科学技術が未来の銀行のサービスモデルを変える。情報通信(IT)技術の発展とスマート時代の到来により、日本の銀行業はIT技術と金融が結びついた金融技術普及ネットワークを利用して業務を処理するようになるとともに、ロボットを導入して作業効率の向上が図られるようになる」ことが予想される。第2の変化は国内業務の低迷により、大手銀行の多くが業務の重点を海外に移すようになり、未来の日本の金融業は空洞化がさらに進行するということだ。
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