選挙戦中も、そして、大統領就任以降も、アメリカにとっての利益が第一という方針を示してきたトランプ大統領。
就任直後には、国内の雇用が奪われるとして、それまで交渉を重ねてきたTPP(環太平洋経済連携協定)から離脱。
さらに、トヨタ自動車のメキシコ工場建設について、「トヨタ自動車はアメリカに工場を造らないなら、巨額の税金を支払うべき」とツイッターで批判し、その後、トヨタ自動車はアメリカへ1,000億ドルの投資を表明した。
そのほかにも、「パリ協定はアメリカにとって最高に不公平だということだ」と、パリ協定から離脱。
さらには、移民や難民の流入制限や、人種差別や白人至上主義に寛容な姿勢を示すなど、物議を醸し続けてきた。
しかし、株価を見ると、大統領選以降のこの1年、ダウ平均は5,000ドル以上も値を上げ、空前の株高が続いている。
先日、日本にやって来たトランプ大統領も「株式市場は、今までになく高値だ」と述べた。
背景には企業業績の改善に加え、トランプ大統領への期待感があるという。
みずほ総研ニューヨーク駐在エコノミストの新形 敦氏は、「トランプ大統領の掲げている大型減税に対する期待が投資家間で高いのが上昇要因」と分析する。
ウォール街で働く人々に話を聞くと、建築会社勤務の男性は、「会社はうまくいっていて、経済も建設業界も堅調だ。それ以上言えることはないね」と笑顔で回答。
弁護士の男性も、「経済が堅調なのは知っている。失業率は過去最低水準。現時点では、経済はすばらしくいい」と話した。
一方で、建築家は、「今は余分なお金を使うべきではない。経済は悪くないけど、わたしは、景気低迷に向かっている可能性があると思う。何が起こるかわからない」と慎重な意見もある。
保護主義的な姿勢が行き過ぎれば、世界経済に悪影響を及ぼしかねないとの懸念もあり、今後のトランプ氏による経済政策の行方が注目される。
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