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自民税調 来年度改正議論スタート 代替わり税優遇制度拡充

■高齢化の中小企業 若返り促す

 自民党税制調査会は7日に開いた非公式の幹部会合で、平成30年度の税制改正に向けた議論を開始した。高齢化が進む中小企業の若返りを促すための「事業承継税制」を拡充する方針を確認。今後、安倍晋三政権の看板政策「人づくり革命」と「生産性革命」の実現を税制で後押しする制度を設計できるかが焦点となる。

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 自民党税調は毎年の税制改正に強い影響力を持つ。7日の会合で確認したのは、中小企業の経営を親族や従業員が受け継ぐ際の相続税などを軽減する事業承継税制を拡充する方針だ。現状、制度の利用は年約500件にとどまっており、雇用条件など要件緩和で制度を使いやすくする。

 中小企業が後継ぎ不在のまま廃業するのを防ぐのが狙い。今後10年間を集中実施期間と位置付けて、予算面の支援と合わせ代替わりを促す。宮沢洋一会長は会合後、記者団に「中小企業の承継税制、世代交代税制は大変大事だ」と述べ、大綱に方針を盛り込む考えを示した。

 所得税の負担を軽くする「控除」の見直しも焦点となる。今後の議論では高所得の会社員や年金受給者を対象に、給与所得控除や年金控除を縮小する案を議論する。

 今回の改正の目玉となるのが人づくり革命と生産性革命につながる施策。ITやロボットを積極的に導入した企業への税優遇や、待機児童対策の一環として事業所内に保育所を設置した企業や病院の税負担を軽くする措置など子育て支援策を中心に検討する。

 また、29年の賃上げ率が27年と比べて縮小傾向にあることや、安倍首相が3%の賃上げ目標を明言したことを踏まえ、賃上げした企業の法人税を減額する制度の延長、拡充策などを重点議論する。

 地球温暖化対策として市町村の森林整備財源に充てる「森林環境税」についても、導入時期や税額などの詳細を詰める。

 日本から出国する際に徴収する「出国税」の創設に関し、宮沢氏は「国土交通省で検討されているが(税調に)来たときは検討する」と話すにとどめた。